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ダイナミックワールド

平壌国際サッカー学校訪問レポート(下)
2014-03-27. 北岡 裕
さて、実際に学校の中に入ってみよう。建物は3棟で構成されていて、中央の1棟が教室で左側の2棟が女子用寄宿舎、右の3棟が男子用の寄宿舎となっている。今回は教室と男子用の寄宿舎を見学した。2013年5月に金正恩第一書記の配慮で開校された学校の定員は230名。訪問時は開校したばかりということもあって、生徒数は昨年9月の時点で男女合わせて101。国家代表の育成を目的に北朝鮮全土で選抜、8歳から受入れを行っている。選抜の際は特に頭と体力と将来性を見るという。教育の課程で随時入替があり、見込みがなく外された生徒には再試験の機会も与えられるが、何度かこれに落ちると生徒も察して諦めるのだとか。実にシビアである。

訪問時は北朝鮮人のコーチしかいなかったが、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダのコーチに対し招待状を送っているという。さらに、2013年末の時点で既にスペインに10〜12歳の男子生徒を留学させている。また、将来的には海外からの留学の受入れも検討しているとのこと。受け入れるのは在日朝鮮人に限らない、世界のすべての国からと聞いて驚いた。

授業は座学と実技があり、午前と午後入替えで行われている。図書館はサッカーの本を中心に、一般的な書籍も合わせ約2000冊の蔵書がある。食堂に加え大浴場にはサウナもあり、理容室もある。寄宿舎の部屋は2種類あり、1つ1つベッドが独立した部屋と、2段式の大きなベッドを備えた部屋がある。
 
グランドは5つ。3つが人工芝で1つが天然芝。残りひとつはホッケー用に使われていた。また、全天候型の練習施設の工事が始まっていた。

案内をしてくれたヒョン・チョルマン校長によると「金正恩第一書記自ら『こっちの方が子供は喜ぶだろう』」と2段式大型ベッドの導入を指示したという。事実、2段ベッドの上の段が子供たちの間では人気で取り合いになるという。平壌と地方の学生の割合は6対4。平壌に自宅がある学生は週に一度自宅に帰るのだが、施設の快適さ故に「帰りたくない」と駄々をこねることも多いと聞いた。また、入替えで学校を辞めざるを得なくなった学生へのケアについても配慮、ちょうど大阪の桜宮高校の体罰の事件が話題になっていたこともあって、同行者が体罰の有無について聞くと「講師の思想指導をしっかり行っている。絶対そんなことはさせない」とヒョン校長は強く言い切った。サウナや大浴場、理髪所も備え「ここに住もうかな」という同行者の呟きに笑いも起きた。

ヒョン校長によれば、体育大国を目指すという流れから、平壌国際サッカー学校に限らず普通の学校でもクラブ活動が近年盛んで交流試合もあるという。国際サッカー学校を倒してやろうという相手の勢いもあり、うかうか出来なくなっているのだとか。

ところで、北朝鮮代表のサッカーチームだが、男子は2014年のW杯予選では第3ラウンド敗退で不出場。残念ながら、女子は2011年のW杯の際のドーピング問題で2015年のW杯参加は参加禁止となっている。今後この学校を卒業した選手の活躍が期待される。レベルアップした日朝戦での切磋琢磨を期待したい。


平壌国際サッカー学校 教室の様子

金正恩第一書記自ら指示した集合ベッドの部屋