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ダイナミックワールド

中長期滞在外国人を意識する北朝鮮(2)
外国人向け携帯電話サービスの開始

2014-01-24. 北岡 裕
平壌の窓口となるのが順安空港。職員は軍服姿で緊張感に満ちている。かつては空港の建物に大きな金日成主席の肖像画がかけられ、いざ入国だと興奮も高まったのだが、2013年9月現在、空港の大規模な改修工事が進み、肖像画は外されていた。

荷物検査で特にこれまで厳しくチェックされたのが携帯電話。持ち込めたところでサービス利用は全く出来ないのだが、空港で帰国時まで預けさせられた。北朝鮮滞在中の日本への連絡手段は、ホテルからかける国際電話。2004年に3分ほど、新婚の妻に電話したら約1000円も取られてしまった。今回の訪朝では空港でチェックはされたが、自分の携帯電話を持ち込めた。さらに北朝鮮の高麗リンク社よりSIMカードを購入し挿入することで、3G回線を利用して北朝鮮から日本へ自分の携帯電話で電話することも可能になった。

空港内に高麗リンク社の窓口があった。高麗リンク社は、北朝鮮の逓信省とエジプトのオラスコム・テレコム社の合弁で作られた企業で、北朝鮮の携帯電話サービスを独占的に提供する。今回、入手したチラシ2枚を見てみる。1枚目のチラシを見ると2週間、1か月、2か月の3つのプランがあるようだ。観光ツアーの滞在期間、約1週間に合わせたプランは無い。短期滞在者向けでなく、先に紹介した「ナレ」と同じく中長期滞在者向けのサービスであると言えるだろう。金額のうち20ユーロが基本料で、残りが通話料としてあてられるようだ。国内通話料と、SMSとMMS、携帯メールの料金の記載もある。

もう1枚のチラシ、国際電話の料金表はユーロと朝鮮ウォンでの記載。EU各国に加え、中国、モンゴル、ロシア、イランやエジプトなど北朝鮮となじみ深い国が並ぶが日本は無い。窓口にいた女性職員に「日本までの通話料は?」と聞いたところ「わかりません。先に利用している人に聞いてください」と斜め上の回答が返ってきて驚いた。今回は一週間ほどの滞在、日本に通話する用事もないので利用せず、チラシだけもらった。「先に利用して〜」という職員の発言も「先に駐在している人に聞きなさい」というニュアンスを含んでいたのかも知れない。ひとつ不明なのが、当初、チャージされた金額以上に使った場合の料金精算だ。前回紹介した「ナレ」のように追加チャージが出来るのか、帰国時空港で清算するのか。この点はっきりしない。

そして平壌滞在中、オラスコム社の駐在員と話す機会に恵まれた。2013年9月現在、平壌滞在中の職員は22名とのこと。彼らも自分のスマートフォンでSNSサービスにアクセスしていたが、このSIMカードを使っていたのだろうか。

今回の訪朝では、彼ら以外にも、ちょうど開催されていた第9回平壌秋季国際商品展覧会では、中国人を中心とした多くの外国人バイヤー、企業関係者の姿を目にした。また、宿泊した普通江ホテルでは医療系のジョブトレーニングのため滞在中のアメリカ人一行も10数名いた。マスゲーム、アリランなどを見るために来た、欧米諸国、中国からのツアー客の姿はこれまでの訪朝でも見たが、ここまでの数の中長期滞在者との接触は初めてであった。

日本と北朝鮮の交流はほぼ断絶状態に近いが、他の国々との交流は非常に積極的な様子がうかがえる。特に中長期滞在者の増加とそれに対応したサービスの展開は注目すべき動きである。

※ 携帯電話料金表については、筆者が順安空港にて入手。写真も順安空港にて筆者撮影。