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ダイナミックワールド

北朝鮮で通じる日本語とおなじみの顔
2013-12-2. 北岡 裕
今も韓国では日本語がそのまま残る。よく知られているのがうどん、おでん。味や具材は少し違うが、料理と共に名前もそのまま残っていて、滞在中辛(から)いものを食べ続けて、さすがに辛(つら)くなった時には韓国版のおでん、うどんで胃を慰める。

北朝鮮ではどうだろう。何かの本で「親分」「子分」という日本語が意味もそのまま残っていると読んだ記憶があった。「親方」だったかもしれない。北朝鮮滞在中、同行者にまさに「親分」的な方がいたので、「この方はまるで『オヤブン』みたいな人ですよね」と女性接待員に話しかけてみたが「親分ってなんですか?」と言われ、通じなかった。通じなかったと言えば、もうひとつ。別の女性接待員と話した時のこと。彼女、偉さんに「本貫(※1)は何ですか?」と聞いたが、彼女は「わからない」と答えたのだった。

さて、北朝鮮にもそのまま通じる日本語がある。今回の滞在中一番耳にし、助けられた日本語。そのことばとは「ポッカ」。缶コーヒーや清涼飲料水メーカーであるポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社のポッカである。私はアルコールを全く受け付けない体質なので、同行者が大同江ビールや平壌焼酎を飲んでいても、水か炭酸水かそれともジュースかの選択となる。北朝鮮には国産のジュースもあり、往復利用した高麗航空機で出されたサイダーは北朝鮮国産。だが、平壌市内のレストランでは、ポッカ社製のジュースが多く出て来た。缶コーヒーでおなじみの男性の顔が描かれた缶。そのままこれを「ポッカ」と北朝鮮の人は呼ぶ。注文する時は「ポッカ1本!」だ。なお、ポッカ以外のジュースは단물(タンムル。直訳すると甘い水。韓国だと음료수=ウムリョス。飲料水と呼ぶことが多い)と呼ぶことが多い。

主に流通しているポッカ社製の商品は、缶コーヒーと果汁入りジュース。日本では目にしたことのない果肉の入ったジュースもあり、滞在中行った平壌市内の二軒のバーのカウンターにはカクテルに使うためか日本のポッカ社製のレモンが並んでいた。帰国後、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社のお客様相談室に問い合わせたところ、日本国内にて展開する商品は、基本的に直接販売することはないため、関連会社のPOKKA CORPORATION(SINGAPORE)PTE LTD(※2)にて製造、展開を行っている商品と推測され、また、同社にて製造する商品は、全世界六十カ国以上で流通・販売されていると回答があった。現地で見かけた他社製品としてホテル内の商店にサンガリア社製の缶コーヒー、バーのカウンターに明治屋製のいちごシロップもあった。珍しいところでは鯉の餌なども見かけた。日本政府か北朝鮮に対し、厳しい経済制裁を敷いているが、意外と日本製品を多く見かけた。

平壌市内の商店で、ある同行者が明治製菓社製のアーモンドチョコを買おうとしていた。「昨日来たばかりで値段がつけられない」と理由から買えず、他の日本製のお菓子にしたのだが、彼は「帰国時に北からのお土産を税関で没収されたら、『経済制裁とは言うが日本製品、北に入っているやないか!』と言ってやろうと思ってさ」と、いたずらっぽく笑ったのだった。


 ※1: 金氏なら金海金氏など、氏族発祥の地を指す。韓国においては、聞いてほぼ必ず確実に答えが返ってくる内容。

 ※2: ▼Pokka Corporation (Singapore) Private Limited
  http://www.pokka.com.sg/


北朝鮮で出会った「おなじみの顔」(開城にて) 写真提供:Yuh