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「香港独立」の標語が新学期の大学に出現、台独との提携も−大陸も過敏に対応(上)
2017-10-12. 日暮高則
9月初め、新学期を迎えた香港の各大学で「香港独立」と書かれた横断幕が張り出される“異常事態”が発生した。一国二制度下で言論の自由が保障されているとはいえ、香港基本法で「独立」の鼓吹は禁止されている。林鄭月娥行政長官は「組織的、系統的にこの種の行動が取られれば、二制度に影響を与える」と懸念を表明、学校当局に対し善処を求めた。学校側は直ちに撤去に乗り出したが、学生組織内には「香港本土派」と呼ばれる独立派のメンバーもいるため、横断幕の完全排除は難しい状況だ。香港の国慶節儀式でも独立派が妨害行動に出ており、勢いは止められそうにない。一方、台湾でも、蔡英文総統が現状維持姿勢を貫いている中、9月末に「台湾独立」を主張してきた頼清徳行政院長が就任した。香港と台湾の独立派が連携する動きもあり、大陸側も神経を尖らせている。

有名大学・香港中文大学で新学年の入学式が行われた9月4日、学園内に「沈淪は拒否する。独立あるのみ」と書かれた横断幕とポスターが掲げられた。同大の学生会会長は「香港では政治的な抑圧がますます強まっている。だから、(ショック療法で)関心を集めたかった」と述べ、実行行為を認めた。当初、同大学の瀋祖堯学長は「学習環境を妨げない限り、学校側は極端な対応はできない。学生たちは平和的、理性的な方法で自らの意見を表明してほしい」と述べるにとどめ、事を荒げないことを示唆した。だが、外からの圧力があったためか、学校当局の態度は一変。「港独には一貫して反対」という立場から撤去する構えを見せたため、学生側と対立、にらみ合いとなった。独立標語の掲示は中文大にとどまらず、香港大、城市大、理工大など10校に及んだ。

学生側が最近、より過激な「独立」を志向するのは、北京当局が香港に対し一段と影響力を強めようとすることへの反発がある。中国の張暁明駐香港特別区連絡弁公室主任が6月、香港の青少年活動のイベントで、「青少年は正確に一国二制度の方針、国家と香港との関係を知る必要がある。祖国に抱かれなければ、香港の優勢は保てない」と強調。また、習近平国家主席は7月1日の香港返還20周年式典で、「中央の権力や香港基本法の権威に対するいかなる挑戦も許さない」「香港社会の特に公務員、青少年には中国憲法や香港基本法の教育を徹底させなければならない」と語り、香港独立の動きをけん制するとともに、青少年に愛国心教育をするよう呼びかけた。こうした一体化への圧力が香港の若者の嫌悪感を呼んでいる。

「港独標語」掲示事件は、香港で大きなニュースとなり、一方で大陸から来た人の反発も買った。まず、翌9月5日、大陸から中文大学に来た女子学生が港独派のポスターをはがした。その”英雄的な“映像が大陸内のSNSで流布されると、それに呼応するように、他の大陸留学生も立ち上がった。約200人が現場に集結し、ポスターをはがし、港独学生と対峙した。学生会側と言い争いになると、大陸の学生は「君らが民主的な話だとして張る権利を言うなら、われわれにもはがす権利がある」と主張して、一歩も引かない構えを見せた。

また、大学外の「愛護香港力量」(2011年に創設)という親中国系親団体も行動に出た。メンバーのある男性は「彼らは法を犯している」と叫び、ポスターをはがして回った。また、白衣を着た女性が横断幕を奪って車で逃走しようとしてトラブルとなった。女性は車で逃走したあと、再び現場に舞い戻り、10数人の見張りの学生たちに「英国の犬」などと罵倒した。この言葉は、港独派が街頭行動でしばしば英国植民地時代の旗を掲げることを揶揄し、非難したものである。親中国系は、「ここは中国」と書かれたプラカードを持ち、口々に「Hong Kong is China」と叫び、大学内での座り込みも行った。

香港在住の大陸大学・高専卒業者で作る校友会連合会は「港独標語掲示は悪意に満ちた事件。港独に反対するのは中国人の基本である。言論の自由は道徳標準の上に築かれるもので、自由をいったん乱用すれば、社会に対立と紛争を招く」との声明を出した。林鄭月娥行政長官は「これは言論の自由の問題ではない、一国二制度を尊重するかどうかの問題だ。港独は基本法と香港社会の全体的、長期的な利益に合わない。大学内にこの種の国家の主権、領土の保全、社会の発展に背く言論が出現し続けるならば、私は責任を追及する」と激しい言葉で叱責した。最初は穏便に対処しようとした中文大の瀋祖堯学長も「港独は基本法に違反するばかりでなく、私個人の考えにも反する。香港が中国の不可分の一部であることは争うことのない事実」と強気に転換している。