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孫政才重慶市書記の失脚は習近平長期政権化狙いの一環か−胡春華氏が次の標的?(上)
2017-08-08. 日暮高則
中国党中央トップ25の政治局委員である孫政才重慶市書記が7月中旬、紀律検査委員会の審査対象となり、失脚した。公にされた理由は汚職と作風の問題だと言われる。若くして国務院の部長(閣僚)や地方のトップに就けられ、胡春華広東省書記とともに「党中央指導部で次期トップを担う候補」と見られてきただけに、今秋の共産党第19回大会を直前にしたこの失脚劇は大きな衝撃を与えた。米国や香港のこれまでの報道を見る限り、孫政才氏がそれほど激しく腐敗に満ちていたという情報はなく、徒党を組んで習近平国家主席の権力に歯向かう様子もなかった。腐敗摘発の名を借りた幹部追及は権力闘争の一環という見方を取るならば、習主席はこの摘発で一定の狙いを持っていたことは明らかだ。毎夏恒例の北戴河会議を控えて、その狙いが徐々に浮かび上がってきた。

国営新華社通信は7月15日、孫政才氏が重慶市書記の職を離れ、後任に習主席の浙江省書記時代の腹心である陳敏爾貴州省書記が就任したとの党中央の決定を伝えた。この報道では、孫氏の次の異動先が分からず、何となく不可解さが感じられたが、24日夜、孫氏が正式に紀律検査委の審査対象になっていることが公表された。香港誌によれば、孫氏は7月13日、北京で開かれた政治局生活会議に出席した。生活会議とは、幹部が政治姿勢や生活態度を自己批判したり、互いに批判し合ったりする会合だが、この会議の冒頭、王岐山政治局常務委員兼紀律検査委書記が「孫政才同志は検査委の調査対象になった」との宣告文を読み上げた。最後に「何か話したいことはあるか」と語りかけると、孫氏は「私は検査委の審査を真摯に受け入れる。深刻に反省しているし、自らの重大な違法行為をつまびらかにし、人民と祖国の許しを請いたい」と神妙な態度を示したという。

昨年11月から今年1月にかけて紀律検査委の巡視組が重慶市に滞在、5年前、汚職、職権乱用などで逮捕された薄熙来元同市書記の“害毒”が一掃されているかどうかを調べていたとも言われる。薄熙来関連というのは名目で、実は孫政才氏訴追の証拠探しをしていたのかも知れない。その結果、現地の党の指導体制の弱さや習近平重要講話への学習不足が分かったほか、国有企業などの腐敗状況は改善されておらず、薄熙来氏の害毒が一掃されていないことなどが明らかになったとされる。孫政才氏訴追に先立ち、6月16日に重慶市副市長兼公安局長の何挺氏もその職を外されており、孫氏自身は巡視組の動きから、いずれ自らの立場にも影響が及ぶと予期していたことは間違いない。

一方で、孫政才氏摘発の理由となった“腐敗”の多くに関わりながら、あくまで不遜な態度を示したのが妻の胡穎さん。夫の検査委審査対象が宣告された同じ日、妻は避暑のため山東省青島市に滞在していた。そこで最高検察院の制服職員から身柄拘束を告げられると、胡穎さんは青天の霹靂といった感じで驚愕し、「(重慶市書記夫人である)私にこのようなことをするとは、冗談ではないでしょうね」と応じた。職員が再度事実を告げると、「孫政才同志は今、北京で会議に出ている。知っているの?」と居丈高に尋ねたという。胡夫人は自らに忍び寄る不穏な空気を夫ほど敏感に読み取ってはいなかったようだ。

香港誌によると、孫政才氏が検査委から指摘された”罪状“とは、仝圭鼎弊治的、組織的紀律違反、⊃Ω△鰺用し、家族、親せきのために巨大な利益獲得を謀った、H麕 違法に巨大な額で他人の財物を奪った、だ験茵道徳の作風(態度)が堕落しており、他人に大きな損害を与えた、ス駝咳’清班堯吉林省勤務時代に食糧在庫、税収、債務の数値把握で大きな間違いを犯した−の5点という。そのほか、検査委が特に着目したのが胡穎夫人の生活ぶりだ。胡夫人は、令計画元党中央弁公庁主任(訴追済み)の谷麗萍夫人、蘇栄元全国政治協商会議副主席(同)の于麗芳夫人とともに、民営銀行の民生銀行が主宰する「太太(奥様)倶楽部」に所属し、さまざまな特権的利益を得ていたことが問題視された。

別の華文メディアによれば、孫政才氏最大の”罪“は、習近平氏を「党の核心」に位置付けるキャンペーンに熱心でなく、態度を不鮮明にしていたこと。そればかりか、習近平氏にクーデターを仕掛けたとされる薄熙来氏や周永康元政法委員会書記系の重慶市、四川省旧勢力と付き合い、取り巻きの小グループを作っていたという。腐敗の問題では、孫氏は愛人に多くの婚外子を産ませているほか、「一帯一路」プロジェクトの資金を愛人の関係する企業に重点的に回していたという。また、贈収賄やマネーロンダリングの疑いが持たれた民生銀行の董文標元董事長が日本に逃亡しようとした際、孫政才夫妻が手助けしたとも伝えられる。「川に落ちた犬はたたけ」とばかり、罪状は次から次と出てくる。