 |













|


Chinese・English


山田 正(財団法人霞山会理事長)
|
米ソ冷戦が終焉してからすでに20年が経過し、政治体制の優劣を競い合ったイデオロギー対立の時代は過去のものとなりました。
アジアにおいても、もともと反共主義を共通項として成立していたASEANに社会主義体制下のベトナムが参加しています。またASEAN+3として、日本、中国および韓国が政治体制の違いを超えて協調しており、冷戦時代が過去のものであることを実感させられるのであります。
また、中国のGDPはこの20年間において20倍(人民元ベース)となり、世界3位の経済大国となりました。これに伴って、日中間の交流も、当初日本側の「持ち出し」が当然であったのが、こんにちでは相互負担に基づく平等な交流が基調となっています。
このような国際関係における脱イデオロギー化および中国経済の飛躍的発展に伴い、日中間のさまざまな協力や交流は活発化し、時の経過とともに目覚しい成果も挙がってきています。当財団の活動についても例外ではありません。
昨今の世界同時不況によって、日中両国とも、先行き不透明な情況におかれています。しかし、日中の経済関係は、すでに緊密な協力の基礎の上に立っており、また東アジアにおいては、北朝鮮を除く国際関係が良好な状態で確立していますので、相互間の交流活動が大きく損なわれるようなことはないものと思われます。
当財団は、2008年に創立60周年を迎え、前身の東亜同文会設立からは110年の歴史を重ねました。同年には「霞が関コモンゲート西館」が竣工し、当財団はその一部を取得して財政基盤を強化することができました。
当財団としましては、一世紀にわたって我国と中国との「架け橋」であるよう努力してきた伝統を守り、対中・対東アジア民間交流・研究活動の拡充と深化を一層はかる方針です。
当財団の活動の概要を述べれば、次のとおりです。
(1)教育交流事業
当初に述べた国際情勢の変化とともに、当財団が実施している中国との教育・学術交流は活発化しています。
日中間の留学生派遣・招請事業および中国人日本語教師招請事業によって派遣または招請した学生、研究者および教師の数は、すでに400名を超えました。
また、我国の大学院、大学等への進学を目指す中国人学生を対象とする日本語学校の在籍学生数は、常時110名前後となっており、一方、日本のビジネスマン、学生等を対象とする中国語学校においても、常設講座だけで常時300名を越える受講者があります。
(2)国際シンポジウム・国内シンポジウム
当財団は、中国の大学、研究機関、諸団体等と提携して、毎年1回、国内と中国とで交互に国際シンポジウムを開催しています。
最近では、2008年9月東京において「転換期を迎える中国経済:日中関係の視点から」と題するシンポジウムを当財団、上海日本研究交流協会および、上海大学の共催で開いています。
国内においても原則として年1回、大学等と提携してシンポジウムを開催しております。2008年7月には、同志社大学との共催で「中国をめぐる安全保障:日米中台関係を中心として」というテーマでおこないました。
(3)出版事業
当財団では、東アジアの国際情勢についての月刊誌「東亜」を発刊しており、2009年2月号は通算第500号となりました。
また、中国の政治、軍事、外交、経済、社会の動向を要約した「中国総覧」(株式会社ぎょうせい刊・隔年発行)を監修しています。最新版は「2007〜2008年版」です。
このほか、「日中関係基本資料集1972年〜2008年」を当財団創立60周年記念事業の一環として発刊しています。
|
|
|
 |
 |