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韓国百名山

第39回 岩峰が切り立った慶南随一の名勝 周王山
2017-08-10. 森正哲央
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餅を蒸す蒸籠に似た周房渓谷のシル峰
雪岳山、月出山と並んで「韓国3大岩山」の一つにも挙がる周王山は、屏風のように切り立った岩峰がひときわ印象的な山だ。周王山の名は、中国唐の時代、晋の子孫である周鍍が周王を名乗って反乱を起こしたが敗れ、朝鮮に逃れたとの伝説に由来する。そのため、山中には周王窟、周房川、将軍峰、旗岩など伝説にちなんだ名勝が多い。その姿から石屏山、天下の名勝・金剛山に比して小金剛山とも呼ばれている。

1976年に指定された周王山国立公園は、主に3つの区域からなる。太行山(933m)や大遯山(905m)がそびえる北部、周王山、カメ峰(882m)、王居岩(907m)、莫古等(846m)、クムングァンイ(根恩広・812m)、将軍峰(686m)が、周房川渓谷を丸く蹄のような形で囲む中央部、そして注山池がある南のチョルゴル渓谷一帯だ。

このなかで周王山訪問の核心部のいえるのは、春のチョウセン山躑躅(スダルレ)や秋の紅葉が美しい周房渓谷(名勝11号)、主峰の周王山、展望に恵まれたカメ峰といえる。王居岩、莫古等、クムングァンイの一帯は山行コースとして開放されていない。

また、高麗垂れ柳が自生し、幽玄で幻想的な姿を見せる注山池も人気がある。チョルゴル渓谷(内周王渓谷)そばの貯水池で、李朝時代の1721年に造成された。キム・ギドク監督の映画『春夏秋冬そして春』(2004年日本公開)のロケ地となってから一躍有名となったが、撮影セットはすでに取り壊されている。周王山駐車場から最寄の東面梨田里までは、一日7本のバスが出ている。

周王山へはソウル、釜山、大邱、永川、安東などから直通バスが、青松や真宝から路線バスが出ている。青松郡に入ると、道路沿いにリンゴ直売所が目につく。周王山一帯は、有名なリンゴの産地なのだ。やがて左手に峻険な岩峰が見えてくる。周房渓谷入口の将軍峰で、手前にそそり立つのが旗岩だ。日曜日ということもあって、終点の駐車場には大型バスが所狭しと並び、たいへんな人出。バスターミナル2階の探訪支援センターで地図をもらってから歩き出す。

食堂や土産物屋が賑やかに立ち並ぶ参道を周房川に沿って700m進むと、八公山銀海寺の末寺・大典寺に導かれる。創建年代については、672年に義湘が建てたという説と、919年に訥翁が建てた説がありよくわかっていない。普光殿とその後ろに天を衝くようにそびえる旗岩は、周王山を代表する風景の一つといえる。

境内を抜け5分も歩くと、川沿いの広い道と別れ、周王山の山腹にとりつく。しばらく頑張れば、ルート一展望が優れた展望台につく。渓谷を囲み屏風のように聳える穴岩、将軍峰、旗岩、蓮花峰、屏風岩、給水台が気持ち良く見渡せる。さらにひと踏ん張りすると、乾いていて滑りやすい松の尾根にでる。「落雷多発地帯」との看板が立っていた。東にのぼりつめると30分で樹林に囲まれた広場のような山頂についた。「蛙山岳会」と揃いのワッペンを付けた30、40人の一団が来たが、展望がないためか、そのまますぐ下山していった。大音量でラジオを鳴らしながら歩いている人もいる。

さらにサチャ谷へ向け下る。階段が良く整備されているので歩きやすく、フリメギ三叉路まで1時間。さらに沢に沿って1舛曚品發、周房川沿いの道と合流する。ここで主道から外れ、5分ほど脇道を進むと第二の滝に行き当たる。
主道に戻り周房川沿いにしばらく進むと、切り立った懸崖下の木道にさしかかる。周房渓谷のハイライトで、コバルトブルーの瀬や滝が続く。

木道を抜けたら鶴巣台、シル峰、汲水台の大岩が次々と現れ、今度は上を見ながらの歩き。鶴巣台の名は、鶴が巣を作ったという故事から、シル峰は、その姿が餅を蒸す蒸篭シルに似ていることにちなむ。汲水台には次のような伝説が残っている。

 ――新羅第37代の国王・宣徳王が子をもうけず死去すると、武烈王の血筋をひく金周元(生没不詳)が王に推戴された。だが大雨で都入りが遅れている間に、金敬信が王位を簒奪してしまった。王位を譲り周王山に隠遁した金周元は、渓谷から水を汲んで飲料水として使ったので、汲水台の名がついた―。

 鶴巣台の前から渓谷沿いの主道と別れ、山側の横道へ入ると、周王の霊を慰めるために大典寺と同時期に創建された周王庵が現れる。その裏手の薄暗い谷間には周王窟があり、窟内に虎を従えた山神像が置かれていた。周王は、この洞窟前で、敵の矢にあたり亡くなったといわれ、深山幽谷の趣が味わえる。

 再び渓谷の道と合流し、周王が新羅軍を防ぐため築いた紫霞城を過ぎ、大典寺へ戻った。夕食後、月明かりを頼りに川沿いを散歩する。昼食を食べた店前を通ると、店主の女性が顔を覚えていて声をかけてくれた。コーヒーをご馳走になり少し話す。「昼間はお客さん多かったですね」というと、「忙しいのは休日だけ。季節で偏りもあるし。その点、雪岳山(の観光施設)が羨ましいわ」と話していた。

●アクセス(バス)
・釜山東部BT〜周王山 2本、3時間40分所要
・周王山〜(永川経由)〜大邱 3本
・周王山〜(永川経由)〜釜山 2本
・周王山〜(安東経由)〜ソウル 6本
・周王山〜青松・真宝 20本