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韓国百名山

第35回 ススキ原が広がる長水郡の鎮山 長安山
2017-04-03. 森正哲央
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ススキとササの尾根から望む上峰
全羅北道の東部にそびえる長安山(1237m)は、山に囲まれた長水郡の鎮山だ。眺望が良く、北の稜線では爽快なススキ原も味わえ、山行コースとして人気がある。南に流れる徳山渓谷は、上龍沼、下龍沼をはじめとした大小の淵や瀞、奇岩が美しく、長安山一帯は1986年に郡立公園に指定された。

長安山の名は、北麓の渓南面長安里にちなむとも、付近にあった長安寺からとったともいわれる。また風水地理説で重視される山の一つでもある。錦南湖南正脈で最も高く、白頭山から下りてきた生気が、錦南湖南正脈、錦南正脈、湖南正脈へと流れる込む要所に位置するためだ。長安山の北で白頭大幹から枝分かれした錦南湖南正脈は、水分嶺、八公山、馬耳山、富貴山を経て珠華山へとのび、さらに珠華山から錦南正脈と湖南正脈が分岐している。

そのため、歴史哲学者の崔南善(1890〜1957)は長安山を、白頭山、漢拏山、智異山などの朝鮮を代表する名山とともに白頭大幹12大宗山(朝鮮12大宗山)の一つに数えている。宗山とは生気がとくに集まった山(風水でいう龍脈)を指す。

登山口は、長渓面大谷里の舞龍峠、長水邑徳山里の法年洞、渓南面長安里の槐木洞やチソ谷、蟠岩面知止里の知止渓谷など多い。駐車場から2時間で頂上に立てる海抜916mの舞龍峠は、マイカー利用の登山客に人気がある。舞龍峠からは長安山のほか、白頭大幹と錦南湖南正脈の分岐点をなす霊鷲山(1076m)まで約30分、白雲山に2時間で登れる。今回は南の法年洞から登り、北西の槐木洞へと下った。

前日は長水邑に泊まる。10分余りで端から端まで歩ける小さな街で、南端の貯水池そばには、文禄・慶長の役当時、日本の武将を道連れに川へ身を投げた妓生、論介(生年不詳〜1593)の霊を祀った義岩祠がある。長安山の北6キロ、長溪面大谷里朱村村に生家があり、長渓から路線バスもでている。実際の生家址はダム建設で水没したため、2000年に復元された。生家前の車道を約5キロ上ると舞龍峠に至る。

長水邑徳山里行きバスは一日2本しかないが、乗ってる時間は10分余りなので、タクシーを使っても大きな負担にはならない。街を出たバスはぐんぐん高度をあげ、ミルモク峠を越える。貯水池・徳山堤まで下ったら湖畔を走り、年州マウルのバス停に着いた。

道標に従って沢沿いの林道へ入る。民家の前を過ぎて進むと、前日の雨で水嵩が増したためか、急流に道を塞がれる。裸足になって渡るが、水はしびれるほど冷たい。2回我慢したが、3回目に引き返し、近くの尾根道にコースを変更した。

登山口(標高627m)は、先ほどのバス停から数百メートル先にある。簡易トイレもあり、観光バスが一台待機していた。団体登山客が下山してくるのを待っているようだ。案内図でコースを確認してから歩き出す。のっけから急階段で、そのあとも急勾配の尾根道が続く。40分ほど登ったら少し緩やかになり、小さなアップダウンを繰り返す。

先ほど断念した沢沿いの道と龍林峠三叉路で合流したら、再び勾配がきつくなる。残雪で滑るので軽アイゼンを装着。樹林越しに法年洞の民家が見え、思った通り30人ほどのグループとすれ違い、挨拶を交わす。

登山口から2時間、南北に長くのびた頂上部の南端にあたる下峰(1219m)にでる。ここまで来れば後はなだらかな尾根道を残すのみ。中峰を経て上峰までのんびり歩ける。上峰の山頂は広く、「長安山」と刻まれた大きな石碑が立っていた。一段低い場所にある鉄塔は、山火事監視カメラ。休日とあって、舞龍峠側から登山客が次々と登ってくる。

一部は樹木越しだが全方位のパラノマが味わえる。ほぼ同じ高さで目前に対峙するのが全羅北道と慶尚北道の境界をなす白雲山(1279m)。北へ目を移すと、南徳裕山がひときわ高い。南には、天王峰から老姑壇へ続く智異山が垣根のようにのびている。

ゆっくりと昼をとったら、階段を通って眼下のススキ原へ下る。といっても、ススキ原になっているのは東側斜面だけで、尾根を境に西側の樹林帯とコントラストをなし、一部はササも茂る。アップダンしながら緩やかに下っていく。この辺りは高原漫歩の雰囲気が味わえる。

2つめの展望台を過ぎたら眺めの良い尾根と分かれて樹林帯へ入る。舞龍峠手前500mの分岐(974m)を左折、槐木マウルへ向けて西側斜面を下る。沢にぶつかったら、沢沿いに唐松林を進み、20分で林道にでる。畑や牛舎の横を下っていくと槐木の集落で、長渓行きバスが一日6本出ている。

●アクセス(バス)
・長水邑〜年州マウル(トクサン) 一日2本。始発8時35分・終発16時30分
・槐木マウル〜長渓 一日6本。始発7時40分〜終発18時50分。15分所要