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韓国百名山

第38回 ススキの原が広がる昌寧郡の死火山 火旺山
2017-07-06. 森正哲央
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火旺山の山頂には爽やかな高原が広がる
慶尚北道昌寧郡の鎮山、火旺山を代表する風景は、山上のススキの原だ。火山活動で形成された山頂部には18万平方メートル余りの爽やかな高原が広がり、秋になると日差しを浴びて輝くススキを目当てに、多くの山好きが足を運ぶ。山上からは昌寧の街や、緑の丘陵を縫って走る中部内陸高速道路、野鳥の集まる牛浦沼が一望でき、南には石垈山、東には観龍山、九龍山、東南には霊鷲山がそびえている。1984年には、火旺山郡立公園に指定された。 

火旺山は古くからの軍事的要衝で、文禄・慶長の役では、郭再祐(1552〜1617)らが火旺山城に立て篭もった。今も東門を中心に1800mの城壁が残る。

昌寧は狆慶州瓩噺討戮襪曚標妬はじめ史蹟が多い土地だ。日本書紀にも登場し、古代日本との密接な関係がうかがえるが、6世紀には新羅に併合された。山行ついでに麓の新羅真興王拓境碑(561年建立)、校洞や松硯洞の古墳群、昌寧石氷庫、昌寧博物館にぜひ立ち寄りたい。

主な登山口は、西麓の末屹里と南の玉泉里の2カ所。今回は、西の末屹里から紫霞谷を登り、火旺山、観龍山を経て玉泉里の観龍寺へと下った。

まずは昌寧邑へ移動、昌寧バスターミナル前でタクシーに乗換え、末屹里の登山口へ。昌寧川に沿って桜並木の舗装道を上がっていく。末屹里が起点の山道は、道成庵コース、西門コース、展望台コースの3つあるが、今回は最も険しい展望台コースを選んだ。

駐車場前には川を挟み昌化寺があり、その裏手の祠に石仏坐像が鎮座している。統一新羅時代のものとされ、少し回り道となるが、一見の価値がある。紫霞谷の北側斜面には、かつて谷間を取り囲むように全長1900mの牧馬山城も築かれていた。

坂を登って行くと道幅が狭くなり、入口から20分で道成庵手前の分岐にでる。右折して急坂を登ると火旺山荘の前から山道となり、暗い松林へと入っていく。一帯は紫霞谷森林浴場として整備されており、ところどころに運動器具が置かれている。右手にトイレを見て階段を上がると展望台(八角亭)があり、昌寧の街が見渡せる。この辺りから勾配がきつくなる。

岩が露出した痩せ尾根を休み休みつめていくこと1時間で広い稜線にでた。監視小屋を過ぎると急に視界が開け、山頂の枯れススキの原が広がる。火旺山南側ピークの巨岩、舟岩に座ってまずはひと息つく。舟岩の名は、かつてここが船着場だったという伝説にちなむ。東には尾根伝いに観龍山、その右手に九龍山の岩峰、東南には霊鷲山が望める好展望地だ。

疲れが癒えたら、舟岩から火旺山城西門址まで急下降して、北側のピークへ登り返す。西門址は発掘調査中で、そばに簡易トイレが並ぶ。「火旺山 昌寧の気像」と刻まれた石碑のある山頂に立つと、青松が茂る西側斜面、枯ススキで覆われた山頂部の草原の色合いがみごとに対照をなして面白い。

東門を目指してススキの原を下る。噴火口とされる池の周りでは、発掘作業が進んでおり、建物の遺構、磁器や土器の破片が見つかっているそうだ。東門前には昌寧鳥疇誓之地と刻まれた高さ2.5mの巨石がある。昌寧に伝わる鳥瓩糧祥神話にちなんで、慶南道の観察使(地方官)だった鳥榔覆1897年に建立したものだ。

東門を抜けると山の様相が一変し、歩きやすい林道となる。700m先の撮影セット場は、規模は小さいが、李朝時代の民家が再現されている。『ホジュン〜宮廷医官への道』のセットで、火旺山では『商道―サンド』や『宮廷女官チャングムの誓い』も撮影された。セット周辺はツツジの群落で、春には薄紅色に染まる。撮影場そばまでは高岩面甘里から車で入れる。

さらに林道を行くこと600mで玉泉三叉路につく。ここから観龍山を目指して再び山道に入る。雑木林の尾根を登ること25分で、ヘリポートの広い山頂につく。西に火旺山のススキの畑が望める。

観龍山からは岩の龍船台を経て、玉泉里へと枝尾根を下る。山道からは松の枝越しに、切り立った九龍山の屏風岩、その中腹の青龍庵が垣間見える。最後に階段を通って龍船台の上に登ると、玉泉里を見下ろすように、石造釈迦如来坐像が静かに座していた。統一新羅時代のものだ。

階段下の三叉路へ戻り東へ400m緩やかに下ると観龍寺で、薬師殿に奉安された石造如来坐像、三層石塔など貴重な文化財が多い。さらに玉泉里のバス停までは舗装道を1.6キロ。バス停そばの管理所に寄り、火旺山について話をきく。応対してくれた男性職員が、これから昌寧邑に戻るというので、車に同乗させてもらい、玉泉里を後にした。

アクセス(バス)
・昌寧〜玉泉 一日6本。7時〜18時
・玉泉〜昌寧 一日6本。7時30分〜18時30分