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韓国百名山

第34回 山頂部の柱状節理が偉観を呈す 無等山
2017-02-28. 森正哲央
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中峰を過ぎ光州市街を眺めながら下山
光州の鎮山である無等山は、古くから信仰の対象としてあがめられ、近年は都市近郊のハイキングコースとして人気を集めている。古くはムドル山や武珍岳、高麗以降、瑞石台などの名で呼ばれた。無等は「ムドル」の吏読(漢字による朝鮮語の表記法)とされるが、ムドルの意味については諸説あるとのこと。

頂上は主峰の天王峰(1187m)、その南の地王峰(1180m)と仁王峰(1180m)の3峰からなるが、軍事施設があるため残念ながら普段は立入禁止。中腹より上には、円柱状の柱状節理が発達し、中でも立石台、瑞石台、広石台は「無等山三大石景」と呼ばれる光州のシンボルだ。1972年、道立公園に指定され、2013年に国立公園に昇級した。月出山と辺山以後、23年ぶりの国立公園誕生で、無等山をこよなく愛す光州市民(人口147万)の喜びはひときわ大きい。

光州市からの山行は、証心寺や薬師庵がある表玄関の東区雲林洞か、北区金谷洞の静かな元暁渓谷が起点となる。また無等山のふもとには、史蹟や記念碑などをめぐる計15コース、総距離50キロの散策路「ムドル・キル(キルは道の意)」が整備されている。今回は元暁寺から山行をスタート、無等山の中腹を半周してチャンプル峠へ抜け、瑞石台と立石台を経て雲林洞へと下った。

光州駅前からバスに乗車する。忠壮路の繁華街を抜け、第2循環道路をくぐると、どんどん高度を上げていく。無等山は、ソウルの北漢山、釜山の金井山と同じように、大都市に隣接した山といえる。駅前から35分、元暁寺そばの駐車場で下車した。公園事務所があり、その前で、30人ほどのグループが山行前の準備体操に余念がない。

食堂が立ち並ぶ一角を抜け、元暁渓谷にかかる橋を渡り、無等山荘の前から山道に入る。コマ峠(640m)まで約1.6キロ、雪が残った樹林の緩やかな上り道が続く。松林のコマ峠を越えると、後は南のチャンブル峠(900m)まで5.3キロ、何度かガレ場を横切りながら、東側の中腹を巻きながら進む。北山(782m)やシンソン台を望むススキの原、義湘が創建したとされる圭峰庵を過ぎ、所々で左手に展望が得られる。

切り立った巨岩に囲まれた圭峰庵の佇まいは、無等山の名勝の一つ。圭峰庵からは、東麓の二西面永坪里へ下山コースがある。圭峰庵から30分も進めば視界があけ、ススキに覆われた高原のチャンボル峠にでる。電波塔があり、眼下には光州市街が広がる。色とりどりのウェアに身を包んだハイカーが行き交い、その人出の多さに驚いた。輪になって弁当を広げ、大声で歌謡曲を歌っている一団もいて、いかにも陽気な韓国人らしい。林道が通じているので、マウンテンバイクの一団もいた。

無等山の頂を見上げると、右手に高さ10mはあろうかという数十本の石柱が垂直にそびえ、左手の山頂付近には屏風模様の岩壁がつらなり、偉観を呈している。火山爆発で溶岩が流れ凝固する際にできた柱状節理で、長い歳月をかけて風化し、現在のような多角形の石柱となった。天然記念物に指定されており、それぞれ立石台、瑞石台の名がついている。
瑞石台への登りは混みあい、狭い場所では列をなす。立石台の下から見上げると、あらためてその大きさと、自然の妙を感じる。李朝の文人、高敬命(1533〜92)の『遊瑞石録』によると、立石台周辺には、岩間に立石庵など10余りの小さな庵が点在し、当時から無等山第一の名所となっていた。今でも柱を立てた礎石を見つけることができるそうだ。

僧と龍になりそこねた大蛇イムギの伝説が残る昇天岩を過ぎ、峠から30分で瑞石台につく。この先は軍事施設があり入れないので、ここが実質的な山頂となる。ただ天王峰以外の地王峰と仁王峰は近年、5月と10月の年2回、市民に開放されている。身分証が必要で、外国人にも適用されるのかはわからない。光州の街を眺めながら食べるキムパプ(韓国風海苔巻)は、ひときわおいしかった。

西側斜面を瑞石台展望台を経て中峰(915m)へと下る。雪が凍りツルツル滑るので、軽アイゼンで足場を固める。5月になると、瑞石台の周囲は、ツツジが満開となり、柱状節理とあわせて美しい景観をなす。林道を横切り、枯れ草が茂る広い尾根道を歩いて中峰へ。以前は中峰にも軍事施設があったが、環境保護意識が高まるなか、90年代後半に移転している。

中峰からはチュンモリ峠(586m)、証心寺を経て雲林洞へ下る。チュンモリ峠までは40分。峠には大きな東屋とトイレがあり、大勢のハイカーがひと息入れていた。峠からは急な下り道で、日が当たらないためここもよく凍結して滑る。

大きな欅の広場を過ぎると、証心寺は近い。新羅時代の860年に邊嫣技佞創建したいわれる証心寺は、朝鮮戦争で大部分が焼失、1971年以降に再建された。証心寺からバス停留所までは1.4キロの車道で、沿道には1969年に創建された文彬精舎、立派な公園探訪案内センターなどの施設がそろい、バス停留所手前の一角は登山用品店、食堂が並ぶ商業区としてにぎわっている。光州市にとって無等山はシンボルというだけでなく、経済的にも大きな役割を担っていることを感じつつ、山をあとにした。

●アクセス(バス)
・光州〜元暁寺 光州駅前から1187番に乗車
・証心寺発のバス 市内各方面行きバスが出ている