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アジアの今昔・未来

第450回
介護人材として期待されるアジアの若者

2018-05-08. 直井謙二
政府は介護に従事する人材の確保が困難になっていることから海外、特にアジアからの若者の進出を図る方針を決めた。官民で構成される「国際・アジア健康構想協議会」が年内にも内容を決めて実施するとしている。これまでもフィリピンやインドネシアなどから3,500人程度の若者が経済連携協定の枠組みで入国しているが、厚労省の推計する38万人の介護要員不足対策には焼け石に水だ。日本語の厳しい試験ではねられ帰国を余儀なくさせられることがネックになっている。

海外労働が盛んなフィリピンでは大半が不合格で帰国させられる日本より需要の高い欧米に派遣するケースが目立ち、人材の出し渋りが起きている。フィリピンでは英語の能力を持つ人が多いことも大きく影響している。このため日本政府も方針を切り替え日本語の能力試験の再検討を余儀なくされた形だ。ただ、介護は命をあずかる重要な現場だけに言葉による障害をどう克服するかも問われている。

一方でアジア人労働者の介護に対する潜在能力には期待が持てる。フィリピンやインドネシアは子供の数が日本より多いうえに大家族だ。食事時ともなれば兄弟や祖母祖父が一斉に集まる。(写真)生活を支えるため両親ともに労働に出るケースが多く、場合によっては海外労働に長期間自宅を留守にする場合もある。子供たちは兄弟や近所の子供たちと助け合いながら集団で勉強に精を出したり遊んだりする。年長の子供は自分の兄弟や近所の幼い子供の面倒を見ながら過ごすことになる。場合によっては両親に代わって年寄りの面倒を見るケースもある。

核家族化と少子化で兄弟も少なく近所づきあいも減っている日本の子供はおけいこ事や受験勉強に忙しく、人の面倒を見る機会が少ない。人に対するケアの教育環境は日本よりむしろアジアの方が恵まれているのではないだろうか。

10年ほど前までフィリピンからの若い女性がパブやバーで働き、フィリピンバーは全国的に乱立した。フィリピン人女性の子供のころから培われたホスピタリティー能力が遺憾なく発揮されたケースであろう。その後、ビザの発給が厳しくなったことからフィリピンバーは激減した。

子供のころに対人関係の基礎訓練を終えているアジアの若者は優秀な介護士の予備軍だ。慣れない介護のストレスから介護士による高齢者への暴力事件や殺人事件が後を絶たない。入居者にしてみれば多少の言葉の壁があっても上手に対応してくれる介護士の方が良いような気がする。