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アジアの今昔・未来

第432回
インドとタイの自然エネルギー利用

2017-11-13. 直井謙二
朝日新聞によるとインドでは燃料などとして牛糞を利用してきたが、東部コルタカで牛糞を燃料として利用したバスが営業を開始したという。農家から牛糞を集めバイオガスに精製し利用するため燃費は天然ガスの1.5倍かかるが糞の悪臭はないという。牛を大切にするインドならではのエコな取り組みだ。インドではどこにでも牛が闊歩し糞を垂れる。糞の利用が進めば町から牛糞が消えて清潔になる副産物も生む。

20年ほど前、タイの首都のバンコク郊外で豚の糞を使って発電している養豚農家を取材したことを思い出した。周りは水田で、清潔で最先端の設備を誇っていた大きな養豚場はひときわ目立っていた。

1万頭の豚が飼われているが、自動化され従業員はわずか10名だ。豚の餌はコンピューター制御で与えられる。餌が貯蔵されている巨大なサイロと餌場はくまなく張り巡らされたパイプで結ばれている。1日3回、時間が来るとパイプの弁がコンピューターの制御で開き自動的に餌場に餌が流れ込む。

豚の年齢や気温などのデーターをコンピューターが分析し適量を与えるという。豚も慣れていて弁が開く音がすると昼寝から目をさまし、まだ餌が流れ込んでいないうちに餌場の前で押し合いへし合いをする。豚舎の周りには溝が掘られていて、自動的に噴射される水や豚を洗った後の水で糞が溝に押し流され最終的に巨大な黒いタンクに流れ込む。(写真)

その黒いタンクは南国の強い太陽に照らされ内部は50度の高温となり糞の発酵が促される。発酵した糞から発生した大量の可燃性のガスを利用して発電する。可燃性のガスをエンジンに供給し、エンジンの動力で発電機を回し発電するわけだが、日本で廃棄処分になったトラックのエンジンを使い、発電機も日本製の中古製品だという。

養豚場の経営者によると発電量は一日当たり1000キロワットに達する。発電された電力の4割は養豚場で消費するが、あとの電力は無駄になっているため将来は政府に残りを買ってもらいたいと話していた。

発酵が済みガスが出なくなった糞の残りかすは農業用の肥料として売られるが、その料金で豚のえさ代を賄えるという。したたかなタイ人気質に合った養豚経営だと脱帽した。タイは隣国ラオスから電力を買っているが、それでも原発には慎重な姿勢を崩さない。政府は農家の取り組みに注目し支援しているという。
インドとタイ、南国の高温を利用した自然エネルギーへの取り組みが注目される。