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思考する言葉_現代中国領口語辞典
大V
2013-10-28
微博に激震が走っている。2009年8月にポータルサイトの新浪網がサービスを始めてから、今年8月末にはなんと「世紀の裁判」と国内外で騒がれた、元重慶市党委員会書記の薄煕来公判で、審理の様子が裁判所の微博アカウントを使って実況中継されるまでになった。微博は庶民だけではなく、すでに政府にとっても重要なコミュニケーションツールになったのだ。

最大手の新浪微博ではすでに5億人を超えた登録者のうち、そのファン(ツイッターのフォロワーに相当)の数が1千万人を超える「大V」アカウントが80(2012年末)以上あるという。実名認証(Verification)を受けた「V」アカウントのうちでも「多くのファンを持つ」という意味だ。そのほかに、100万人以上のファンを持つアカウントも3600以上あるそうだ。

ファン数ランキングに並ぶのはタレントや芸能人、あるいは有名実業家がほとんど。トップは5800万人を超えるファン数最大を誇る俳優の陳坤さん。ほか元グーグル副社長で現在ITインキュベーター会社を経営する李開復さんが5100万人のファン数で5位につけている。

そんな微博の情報伝播力は、「ファン1万は一冊の雑誌、10万を超えれば都市新聞、100万を超えれば全国紙、1千万を超えればテレビ局、1億をこえればもうCCTV(中央電視台)」と例えられる。つまり、そこでは汚職官吏に対する民間の告発も、人気女優の出産や離婚も、「大V」がそれをつぶやいたり、転送すればさざなみが大波になる。これまでにこのコラムでご紹介してきた「随手拍」(http://www.kazankai.org/china_jiten_list.html?no=29 )や「到此一遊」(http://www.kazankai.org/china_jiten_list.html?no=1 )、そして「学「習」粉絲団」(http://www.kazankai.org/china_jiten_list.html?no=5 )もすべてそうした中から生まれた。

だが、今年8月中旬に「大V」が中央電視台に集められ、国家インターネット情報弁公室から、1)法律法規、2)社会主義制度、3)国家利益、4)公民の合法的権益、5)社会の公共秩序、6)道徳や風潮、7)情報の真実性――「7つのボトムライン」が伝えられた。だが、ボトムラインとは一体何を指すのか?という問いかけには具体的な回答はなく、不満の声も上がったという。

そしてその日から約2週間後、かつて「随手拍」に資金援助した「大V」の一人、「薛蛮子」(本名は薛必群)が買春容疑で逮捕される。だが、そのニュースは「買春する『大V』」、「『大V』の身分を振りかざした」など明らかなネット人気叩きの論調で伝えられ、「大V」たちに衝撃が走る。というのも、先の会合で面と向かって当局のネット管理を激しく罵ったのがこの「薛蛮子」だった。

9月に入ってさらにやはり微博上で150万以上のファンを集めていた、事業投資家の王功権氏が公共秩序かく乱罪で逮捕される。公民権活動を援助していた王の微博アカウントは昨年すでに抹消されているが、人々が彼の名前を知るようになったのも微博であり、これも「大V」への圧力の逮捕の一貫と見られる。

これとほぼ同時に最高法院と最高検察院の二つの最高司法機関が「微博でデマが500回以上転送された場合、それを流した者を刑事罰に処す」という法解釈を発表。微博上での発言に対する締め付けはますます強まっており、特に社会的名士の「大V」たちはすっかり慎重になっている。もしこの状態が続けば、「大V」の伝播力に頼っていた微博は衰退していくかもしれない。





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版画:丁未堂