topics & News to Home
霞山会とは
月刊『東亜』
講演会・シンポジウム
中国への研究留学
日本への研究留学
東亜学院中国語学校
東亜学院日本語学校
日中交流
霞山会館
交通案内
各種お申し込みForm

■中国マクロ経済分析
 慶應義塾大学駒形研究会

■霞山学生会
■リンク集
■サイトマップ
一般財団法人霞山会
東京都港区赤坂2-17-47
赤坂霞山ビル
TEL.03-5575-6301
FAX.03-5575-6306

韓国百名山

第50回 多くの寺院が点在する大邱の霊山 八公山
2018-12-10. 森正哲央
mori1210s.jpg
東峰から東側の稜線を望む
韓国第四の都市・大邱の鎮山・八公山は、大邱の北東約20キロに、屏風のように東西に広がっている。南麓を中心に多くの登山道がのび多彩な山行が楽しめ、1980年には道立公園に指定された。翌年に大邱が直轄市に昇級したため、大邱側は現在、八公山自然公園として、別途、公園に指定、管理されている。

新羅時代には父岳と呼ばれ、新羅五岳中の中岳であった。また仏教霊山として敬われ、山中には名刹・桐華寺はじめ、把渓寺、元暁寺、千聖寺などの寺院や庵子が密集、大勢の参拝者が訪れている。八公山の名は、山麓で後百済軍と戦い亡くなった高麗の武将8人にちなむとされ、ほかに中岳、公山、桐藪山などとも呼ばれた。

広い山域は、主に3つに分けられる。主峰の毘盧峰(1192m)がそびえる中央部、架山山城のある西部、石造如来座像が座す最東端の冠峰(850m)一帯だ。軍の施設や電波塔が立ち並ぶ毘盧峰は一部を除き立入禁止で、東峰(弥陀峰・1167m)が実質的な頂上といえる。毘盧峰を中央に東峰、西峰(三聖峰・1150m)へ続く稜線は、広げた鳥の翼にも譬えられる。1985年に開業したゴンドラで海抜820m地点まで上ることができ、山上駅から東峰までは2・3キロ、1時間20分かかる。

毘盧峰から西10キロ、架山(七峰山・901m)の架山山城は李朝時代に築かれた。原型がよく保存されており、山頂の架山岩からは大邱市内が一望できる。冠峰の石造如來坐像は、頭に笠のような平らな石を被っていることからカッパウィと呼ばれ、地域住民の厚い信仰を集めており、大邱を代表する観光地の一つ。主稜線を歩きたかったが、山火事防止期間のため入山規制があり、毘盧峰、東峰に登った後、日を改めて冠峰を訪ねることになってしまった。

大邱市中心部からバスに乗ること40分、ゴンドラ駅のある東区龍水洞で下車。一帯は観光施設区として整備されている。桐華寺には下山時に寄るとして、まずは水太谷の登山口へ向かう。施設区からは西へ1・2キロ、週末ならバスが運行している。

入口に着いたら龍水川沿いの小道へ。駐車場、登山案内所を過ぎ、200mも行くと山道となり、ひんやりとした空気に包まれ気持ち良い。この一帯は夏になると、大勢の避暑客が大邱市街から訪れる休養地でもある。道は広くて歩きやすい。

李朝時代に入山を禁じた綏陵封山界標石を過ぎてすぐ、簡易トイレのある広場にでた。分岐があり、道標にはゴンドラ山上駅まで約800mとある。この辺りから勾配が増してくる。岩壁登攀の練習場として人気の巨岩を仰ぎ見て、水太谷瀑布(岩谷瀑布)の横を抜ける。不規則な石段の登りとなり、だんだん息があがる。

西峰への分岐をやり過ごし、支尾根の鉄塔十字路にでる。毘盧峰までは残すところ900m。霧が濃く視界がきかなくなってきた。三叉路を過ぎ、石段を踏みつつ登って行くとフェンスにぶつかった。中に通信施設がぼんやり見え、機械の重低音が響いている。少し味気ないが、ここが毘盧峰の山頂。

休みをとらず、そのまま毘盧峰すぐ下の鞍部に立つ石造薬師如來立像を経由して、東峰へ移動する。濃い霧の中で見る約6mの仏像はひときわ大きく、神々しい雰囲気を漂わせていた。韓国に石仏が多いのは、きめの細かな良質の花崗岩に恵まれているためだ。

東峰の岩上に座り休んでいると、陽射しが差し込み、見る間に霧が晴れてきた。白い雲が幾筋もたなびき、ゴンドラ山上駅や桐華寺が次々と姿を現す。毘盧峰の頂上部は想像していた以上に広くて奥行きがあり、通信塔やレーダーが立ち並んでいる。頂上付近の山肌はまだ褐色で寂しいが、山裾から中腹にはすでに新緑が青々として目に心地よい。

戻りは、南へ張りだした支尾根を進み、山上駅のあるシルリム峰(820m)下の鞍部から桐華寺の谷間へと下る。石造薬師如來立像を経て、行きも通った鉄塔十字路に戻ったら、今度はそのまま尾根道をたどる。ところどころツツジが咲く快適な道で、やがて左手に岩の露出した東峰の南側斜面が望め、中腹には桐華寺の附属庵として最高所に位置する念仏庵が姿を現す。

山上駅や桐華寺が見下ろせる展望台を過ぎ、20分も下ると鞍部にでる。山上駅へと登り返さず、左折して沢へ。浮奢庵の前から舗装道となり、さらに15分も下ると大韓仏教曹渓宗第9教区本山の桐華寺にでる。八公山には歴史と文化が濃厚に薫る山道が縦横にのび、何度歩いても新たな発見がありそうだ。

●アクセス(バス)
・ソウル高速BT(江南高速BT)〜大邱 66本・6時〜1時30分。3時間40分
・大邱市街〜桐華寺。赤い車両の「急行1」に乗車。所要時間は40分。水太谷入口までは休日のみバスが運行している
・大邱市街〜カッパウィ 401番バス。所要時間は1時間