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アジアの今昔・未来

第498回
懸案解決に長期戦を覚悟した中国

2019-10-15. 直井謙二
今年の9月、習近平国家主席が建国70周年を前に米中貿易摩擦や香港問題など中国が抱える懸案に長期戦で備えるよう共産党員に呼びかけた。闘争は少なくとも建国100年を迎える2049年まで続くといわれている。就任直後、中国の夢を語った楽観的な見方が変化している。

この呼びかけの10日ほど前の8月末、中日友好協会の招待で訪中し政府系シンクタンク中国社会科学院・日本研究所や中国国際問題研究院のスタッフと意見交換をした。この席でも中国側のスタッフは米中貿易摩擦が短期に解決することはなく長期に渡ると予測していた。長期化に舵を切った要因は二つほどありそうだ。

一つは親中派と呼ばれる有力な人物が米政権内や議会で影を潜め中国はパイプを失っている。親中派の主張は中国経済が成長すれば国民の生活も欧米化され、多くの情報が中国側に流れ込み日本のように欧米型の民主主義が根付くと予想していた。

実際は中国が世界第二位の経済力を持ち、軍事力や5GなどIT産業の飛躍的な進歩を背景に韜光養晦を捨て覇権主義になりつつあると見られ親中派の旗色が悪い。もう一つは依然として高い中国の経済成長率だ。

一部では米中貿易摩擦で中国の経済に大きな打撃になるという評価もあるが、訪問した北京や重慶の町ゆく人々は貿易機摩擦を深刻に受け止めておらず表情は明るい。習近平主席が長期闘争に備えるようにと呼びかけるのも理解できる。楽観的な見方を支えているのは下降したとはいえ6%台という高い経済成長だ。アメリカの経済成長率は2%を少し超える程度だ。

アメリカのGDPはおよそ20兆ドル、中国は13兆ドルで現在はかなり差がある。社会科学院のスタッフの一人は米中共に貿易摩擦の影響を受けて経済成長に陰りが出てくるだろう。中国の経済成長が1%下がっても5%を維持でき、やがてはGDPでアメリカと肩を並べる。
その時アメリカは対中経済政策の間違いに気づくのではないかと語った。習近平主席の呼びかけによればあと30年後ということになる。

今回の訪中で訪れた重慶は内陸部にあるのにもかかわらず中央政府の直轄に指定され多様な交通手段を利用し一帯一路の拠点となっている。中国がアメリカとの貿易に依存しすぎたことを是正すためにも以前に増して一帯一路に力を入れ、アフリカや東南アジアなどとの経済交流を盛んにしようとしているようだ。日本も一帯一路にどう対応していくか問われている。