中国マクロ経済動向分析2021年4,5月

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輸入額が10年3か月ぶりの高い伸び、貿易では多国間協調を強調


中国国家統計局が発表した2021年第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年の同時期に比べて18.3%増加し新型コロナウイルスが直撃した前年の反動で過去最高の伸びとなった。対外関係ではマスクやパソコンなど新型コロナ関連のほか衣料や玩具など伝統的な輸出品も好調で、輸出入総額が前年同期比で29.2%増加し前年同期の9倍に膨らんだ。中国税関総署が5月7日に発表した2021年4月の輸入額は、国際商品市況の回復と、資源や食糧の調達増加から前年同月を43%上回り2011年1月以来となる高い伸びを見せた。輸出額も前年同月比32%の増加であったが、輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったため貿易黒字は5%減少した。
習近平国家主席は4月20日、3年ぶりに博鰲アジアフォーラムに参加した。習主席は演説で脱中国の動きをけん制しつつ「中国は貿易や投資の多国間協調に積極的に参加する」と強調し、国内の経済体制は「より高度な開放型経済を築く」と述べた。海外資本をひき付けるため改革を進める意向と同時に、中国経済に対する日米欧などの警戒感を和らげようとの狙いも伺える。

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