前回に続いて、俳優の杉良太郎さんとのインタビューの際にお聞きしたベトナムとのかかわりについて書きたい。
あちこち訪ねたアジア諸国の中でも自分の感覚に「一番フィットした国」ということが引き金になってベトナムでの支援活動にのめり込んでいった杉さんに、日越両国の交流のあり方について聞くと、「現在の戦略的パートナーシップでやろうという関係を乗り越えて、ベトナムとの関係を(日本にとっての)準同盟国に発展させるべきだ」と、一歩踏み込んだ答えが返ってきた。「準同盟国」という用語はあまり聞き慣れないが、要は、米国のような同盟国と、戦略的なパートナーシップ関係にある友好国との中間に位置するような「極めて重要かつ緊密な友好国」といった意味合いと解釈した。
杉さんは「ベトナム準同盟国論」を唱える理由について、(1)日本にとっての準同盟国とする価値がある国だ(2)ベトナムの指導者自身、日本語が話せる国にしたいと語っている(3)文化と習慣があまりに似ている(4)ベトナムがフランスとの独立戦争に勝利した後、70人の日本人兵士が残り、ベトナムに正規軍が誕生する基礎をつくった--といった点を列挙。その上で、これらの日本人はベトナム人女性と結婚し、平和のために戦ってきたというエピソードを紹介した。
杉さんは、多くの少数民族の子供を里親として育てた(写真撮影 梶川知子)