『中華世界における慈善文化─越境的な公益・福祉ネットワークの形─』奈倉京子(霞山アカデミー新書)
『中華世界における慈善文化─越境的な公益・福祉ネットワークの形─』奈倉京子
(霞山アカデミー新書) 2026年9月26日発売
「持てる者」はなぜ分け与え、「見ず知らずの他者」をなぜ救うのか。
儒家の道徳か、共産党の統治か。それとも異郷で生まれた共生の作法なのか。
国家の隙間、時代の波間に紡がれてきた、もう一つの「セーフティネット」。
単なる美談や政治のロジックを超えて、中華世界を揺り動かす〈慈善文化〉の実像を読み解く。

一.本書の目的
二.分析の視点
㈠慈善文化
㈡慈善組織─〈中間的組織・領域〉の視座から
■第一章 中国における慈善文化の形成
一.「民主」を基礎とした慈善事業
二.「家族」のための慈善
㈠宗族と慈善
㈡同郷と慈善─会館・同郷会
三.「家族」を超えた慈善
㈠地域と慈善─善会・善堂
㈡慈善の近代化
四.一九四九年以降の慈善
㈠「民主」的な空間の喪失
㈡慈善の「現代化」
㈢『慈善法』成立以降の「大慈善」
小括
■第二章 中国の延長線上にある中華系移民の慈善組織
一.中華系移民(華僑・華人)の生まれた背景
二.地縁・血縁・業縁を紐帯とした中華系移民の慈善組織
三.慈善組織を介した故郷とのつながり
㈠死をめぐる慈善事業
㈡遺体の移送・助葬─東華医院
㈢故郷における助葬─旅港順徳綿遠堂─
四.善堂の海外での展開─タイ・バンコクの華僑報徳善堂─
㈠華僑報徳善堂
㈡華僑報徳善堂の社会的機能
㈢なぜタイで発展し続けられたのか
㈣中国とのつながり
小括
■第三章 中華系移民の「超多様性」と慈善組織
一.中華系移民の超多様性
㈠中華系移民の世代交代・中国新移民
㈡超多様性・個人化
二.慈善組織の変容
㈠伝統的な慈善組織の役割の変化
㈡新たな慈善組織の創設─女性・少数民族の組織
小括
■第四章 現代の社会的弱者を支援する慈善組織
一.社会的弱者を支援する新たな慈善組織
㈠障害者支援サービス─双福昇維発展協会
㈡高齢者の居場所づくり─不惑生命学院
㈢個人の諸課題に向き合うカウンセリング支援
─馬来西亜華社補導協
二.現代の社会福祉における善堂の役割
㈠近代化のニーズに対応する善堂
㈡雪隆南洋同奉善堂の慈善事業
小括
■第五章 「愛郷愛国」をめぐる慈善活動
一.僑郷をめぐる慈善活動
㈠愛郷心・家族愛に基づく慈善行為
㈡改革開放以降の僑郷をめぐる慈善行為
二.拡大する中国全土への慈善行為
㈠「海外華僑華人慈善」
㈡僑務政策・僑務公共外交
㈢僑連と帰国華僑の媒介的作用
小括
■おわりに
一.なぜ寄付をするのか
二.慈善組織
㈠〈中間性〉の変容
㈡「交換様式D」と中華系アソシエーション
三.中華世界における慈善文化
■謝辞
■参照文献
【著者プロフィール】
奈倉京子(なぐらきょうこ)
静岡県立大学教授
発売日:2026年9月26日
定価:1,870円(本体1.700円+税)
ISBN:978-4-911661-03-1
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