低音の魅力

10年同居していた中国人の“姐” jiě がいます。
ある時どこかへ電話を掛け、最後に “谢谢!我是女的。” Xièxie!Wǒ shì nǚ de.(有難う。私は女です)と言って受話器を置きました。
「?」と思い “姐” jiě に尋ねました。
曰く:先方不在のため、お姐さんが名前と用件を伝えたところ、その人が “我会告诉他的。谢谢王先生!” Wǒ huì gàosu tā de.Xièxie Wáng xiānsheng!(彼に伝えます。王さん有難うございました)と言ったそうです。
“先生” xiānsheng(王さん)は通常は男性の尊称です。“姐” jiě は低音の魅力で、電話口で男に間違われるのは1度や2度ではありません。
一応性別を明らかにした後で、“姐” jiě は素早く電話を切ります。
相手に “尴尬” gāngà(気まずい)思いをさせて気の毒だからだそうです。さすが慣れてる……
相手の性別・年齢・社会的地位などから瞬時に呼称を使い分ける中国語。慣れるまでは厄介です。
慣れていても上のようなことがありますからやはり厄介ですな…
(落合理子)
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《傻瓜通讯ー中国語珍道中》は、「東亜学院季報」に掲載していたものを毎月第1木曜日に再掲しています。
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