听写

93年北京。
留学先の教室で毎日絞られていました。
先生がラジオ番組を録音してこられ “听写” tīngxiě(書き取り)させるのですが、とにかく聞き取れません。録音テープをお借りして引き続き部屋で挑むものの、出だしからしてさっぱり。
夜中になって “同屋” tóngwū(同室者)からクレーム:「うるさくて眠れない」(←当たり前)。ダウンを着て暗い廊下で、ラジカセをがちゃがちゃ……。
わずか10秒の音声が聞き取れず泣きたい思いでした。
翌日が答え合わせです。
出だしは番組名で “茶余饭后” cháyú-fànhòu(食後の寛ぎ時)。
続いて胡弓の調べを背景にお年寄り2人の対話: “吃了吗?- 您呢?” Chī le ma?- Nín ne?(召し上がりましたか - おたく様は?)。
お2人とも歯脱けのふがふがした発音で、聞き取りにくかったのは確かですが、併せてもたったの9字……落胆……暗澹……安本丹……
(落合理子)
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