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速成講座 朗読会を行いました。

速成講座 朗読会を行いました。

11月30日に中国語学校常設コース速成講座第90期の朗読会が行われました。

この2年余り、発表者と聴衆は別の教室に分かれオンラインで中継しての開催でしたが、今回は久しぶりに一番広い教室で対面にて行いました。

日本語学校の留学生コースも聴衆として1クラス参加、来日前も含め1~2年日本語を学んできた中国人学生を前に、ゼロから中国語学習を始めて35日目の受講生が課題文の朗読を披露しました。


 

発表に先立ち、留学経験があり、英語以外にルーマニア語やロシア語を学び国際政治の研究を続けてきた六鹿茂夫学院長から挨拶がありました。

「学んだ外国語の数だけ、人生は豊かになります。
外国人が母語を話したらきっと喜ばれるでしょうし、友情さえ芽生えるかもしれません。しかも、文法や発音が正確なら、必ずや尊敬されることでしょう。
しかし、語学はそう簡単に習得できるものではなく、長期にわたる努力が求められます。東亜学院では優秀で情熱的な先生が、発音や初級文法から始め、段階を追って読み書きやディベートができるレベルにまで懇切丁寧に指導します。焦らないで、毎日コツコツと楽しく学んでいってください。」

学院長は、大学でロシア語を勉強し、その後、“Da(yes)” しか分からない状態でルーマニアへ留学。毎日朝8時から午後2時まで、母語しか解さない先生から半年間ルーマニア語を学んだ経験をお持ちです。


そして最後に、
「他の言語と比べて、中国語を駆使できるようになれば、十数億人の中国語話者と会話ができるようになります。今日はその第一歩です。緊張しないで、ENJOY!」
と挨拶を締めくくりました。

 

この朗読会、ずっとイソップ童話の “蚊子和狮子(蚊とライオン)” が課されています。
講師と1対1の特訓は、もはや東亜学院の春と秋の風物詩。
“你有什么力量呢?(君にどんな力があるんだい?)” の1文が耳について離れないという教職員は一人二人ではありません。

ラガーマンの発表者、中国人留学生を前に、中国語で名前を言い、 “我现在开始朗读。题目是≪蚊子和狮子≫(今から朗読を始めます。題は「蚊とライオン」です)”。

発表後、出来を問われ「70点ぐらい」と発表者。
続けて、日本語学校の中国人留学生が一人ひとり感想を伝えます。彼らにとっても、自分が学んできた経験を振り返り、日本人の前で日本語で感想を述べる貴重な機会でもあります。

「外国の人がこんなに中国を好きになって勉強してくれるなんて、感謝です。うれしい」

フレーズが2つ示され、「それ以外は全部分かった」との評。
「初めて聞いた話だったけれど、ストーリーはよく分かった」と複数の学生。

n と l(エル)を区別しない地域からの学生が「私より発音がいい」と言い、
鼻母音の n と ng を区別しない地域からの学生は、「“蚊子” は wenzi か wengzi か、私はときどき混乱します。ごまかして発音します。(発表者の発音は)すばらしいです」と苦笑。

“强多了!(ずっと強いんだぞ!)”、 “比一比(比べっこしようよ!)” 、特にこの部分が「ちゃんと感情を表していてよかった」。

発音とリズムの良さを皆ほめてくれました。
「紙を見ながらでなくて、前を、人を見ながら話した方がいい」
「スピードが上がって、感情がちょっと入ったら物語の感じがもっと出ます」
という声も、しっかり読めていたからこそでしょう。


先生方からのコメントに続き、最後に、学院長から「ラジオやテレビなどの講座と違って、毎日一緒に学べる仲間がいて、先生がそばで直接指導してくださる東亜学院の環境はすばらしいですね」。さらに、日本語学校の留学生に以下のようなメッセージがありました。

「先ほど『発音などすばらしかった』と肯定的に評価した後で、『もっと頑張ってください』という発言がありましたが、これは『あまり頑張ってこなかったから、もっと頑張る必要がある』というニュアンスが含まれています。ですから、『引き続き頑張ってください』とか、『これまで同様頑張ってください』という表現にした方がよろしいでしょう。こういう細やかなニュアンスは、現地にいてこそ学べるものですから、日本人と積極的に話して、日本語のニュアンスも正確に理解できるようになるといいですね。そうすれば、日本語学習がもっと楽しくなるでしょう。」


発表を終えての感想をお尋ねしました。

― 本番はどうでしたか? 
緊張しました。

― 学生のコメントで嬉しかったことは? 
「発音が良かった」と言われたことです。

― 苦戦した語句は?
狭口母音u、例えば “蚊wén/ 围wéi” です。複合母音 “咬 yǎo/就 jiù /小 xiǎo” もそうですが、介音のiやuが短く滑ると指摘されたので、きちんと口形を作り、音が響くよう練習しました。声調では第2声 “能néng/求qiú” が上がり切らず、難しいと思いました。

― 本番は楽しめましたか?
緊張しましたが、発表前に講師の方々に励ましていただき、楽しめたと思います。

― 日本語学校Cクラスの皆さんからの講評はどうでしたか?
「わずか2か月の学習なのに発音が非常によい」と言っていただき嬉しくなりました。湖北出身の学生さんが「自分よりも鼻母音が上手」と言ってくださり、そこはとても自信がつきました。

― 後半3か月に向けて抱負を聞かせてください。
自分の発音で本当に通じるのか、不安に思うことが多かったのですが、今回の朗読会で少し自信になりました。まだまだ勉強が足りないので、毎日の復習をしっかり行い、文法を定着させたいと考えています。


半年間の速成講座も半分が過ぎようとしています。
後半も実り多いものになりますように。

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