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第506回 垣間見た中国の様変わり  直井謙二

第506回 垣間見た中国の様変わり  直井謙二

第506回 垣間見た中国の様変わり

昨年の夏に数年ぶりに北京と重慶を訪問した。久しぶりだけに中国の変化を読み取ることが出来た。北京空港に到着して驚いたのは入管前のチャックだ。ATMのようなマシンにパスポートをかざし、親指を除く4本の指の指紋を読み取られる。さらに顔写真を撮られ、チェックが終わるとOKと書かれた小さな紙が出てくる。説明する職員がいない初めてのチェック方法に戸惑った。

「OK」と書かれた小さな紙は他の空港や帰国の際の出国時にも有効でビッグデーターに登録されたことが分かった。自動化はパスポートのチェックだけなく、羽田空港同様手荷物預けにも及んでいた。パスポートと搭乗券をかざし、受け付けられると搭乗者自らトランクをベルトコンベアに乗せる。荷物の重量が測定され規定内の重さならコードが撃ち込まれたタグが自動的に出てくる。タグを自ら荷物につけボタンを押すとベルトコンベアが動き出した。

北京に到着し、空港を出るとガスで淀んでいた以前の空とは打って変わって、青空が広がっていた。PM2.5対策のマスクも必要なく呼吸も楽だ。高度経済成長が始まったばかりの30年前、初めて見た北京秋天を思い出した。環境対策が進んだのかと現地の人に聞くと北京の周りに展開していた工場のほとんどが郊外に移転したのだという。移転先の大気汚染はどうなったのか気になるところだ。

町中に出るとコーヒーを提供するカフェが目立つ。スターバックのなど外国資本のカフェに加え地元資本のコーヒーチェーンが肩を並べる。中国人の食生活が変わり、コーヒーの消費量が上がり豆の値段が世界的に上昇していると報じられているが、中国での消費の拡大を実感した。

町ゆく人の姿にさほどの変化は感じられなかったが、8月の猛暑の中高年男性がシャツをたくし上げ丸い腹を出す北京ビキニが散見された。当局は見苦しいとして規制をしているが効果はあまりないようだ。

重慶で運よく「国際スマート博覧会」を見学することが出来た。(写真)巨大な会場にブースが設けられあちこちに「5G」の文字が踊り各社が先端技術を競い合って展示している。

日本の展示場の規模は小さかったが、日本製の化粧品に人気が集まっていた。展示場への入場料が無料だったこともあって身動きも出来ないほど混んでいるブースもあった。日本の産業博覧会はビジネスが目的で参加者もサラリーマンや専門家が多いが、会場には家族ずれや高齢者も多く、IT産業の未来に幅広い市民が興味を持っていることをうかがわせていた。

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