五里霧中四苦八苦

成語の学習書の企画に関わった事があります。釈義と用例だけではありきたりなので、4字の構造を示してはどうか……という案が編者から出ました。
辞典クラスでは見た事がありますが、学習書クラスではたぶん初です。名案と思いました。
“四面楚歌” sìmiàn-chǔgē はどう見ても「2+2」ですが、“一衣带水” yìyīdàishuǐ は「1+2+1」です。「1本の衣の帯(ほどの幅の)水」という構造です。
“易如反掌” yìrúfǎnzhǎng は乱暴に言えば「1+3」でしょうか。「掌を反す如く易しい」ですから。
ある日 “水泄不通” shuǐxièbùtōng(水も漏らさない)を睨んでいて、はたと閃き「これは1+3で、後の3字は可能補語でしょうか」とお尋ねすると、編者の先生が哀れむように「成語の成立は古いんですよ。可能補語のような俗な話し言葉は普通ありません。常識ですよ」と仰いました。うう……
(中国語学校教頭 落合理子)
・・・・・・
《傻瓜通讯ー中国語珍道中》は、「東亜学院季報」に掲載していたものを毎月第1木曜日に再掲しています。
ほかのクイズ・コラムは<こちらから>、中国語の勉強は<こちらから>どうぞ。
ツイート